BYOD(Bring Your Own Device)はここ最近のITにおける静かなトレンドである。
というのはその言葉が登場してから数年が経ち、認知はされているものの、未だに多くの企業はBYODを基本的には認めていない。
ITmediaを見ていてBYODに関する気になる記事があった。
「全社員2300人に会社貸与PCやめます」は成功するのか？ (1/3) - ITmedia エンタープライズ
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1506/29/news007.html
この記事によるとネットワンでは社員に15万円を支給して自分用のPCを購入させ、それを業務にも使用してもらうという取り組みを行ったそうだ。
業務用のOS、ソフトウェアに関するデスクトップ環境は全てVDI(Virtual Desktop Infrastracture)を使用し、購入したPCでサーバにリモートアクセスして業務を行うというものである。
上記システムによるメリットとしては以下のようなことが挙げられる。
- データが全てサーバ上に保管されるためPC紛失に伴う情報漏洩のリスクがない
- 社員が使いたいデバイスを使用して業務を行うことができる
- 社員の端末管理における時間、コスト削減
上記メリットを見るとコストも減って、社員のモチベーションも上がってさらに情報漏洩のリスクも抑えられるなんて非常に良い取り組みのようである。
SIerはBCP対策や、リモートワークで新しい働き方を提案したりする割には自社では全くやっていなかったりするので、
しかし私が気になった点が２つあり、それらについては記事中で触れられてない。
１つ目は仮想環境にネットワークでアクセスする際の遅延である。
リモートアクセスとなるとどうしてもローカルPCで処理しているのと同じように画面表示、データアクセスは行えない。
２つ目はローカルのPCにプライベートなファイルを保存する人がいたりするということである。
プライベートなファイルが害のないものならいい。しかしプライベートでも兼用するとなるとどうしてもエロ画像、エロ動画などを保存せざるを得ないだろう。
そしてそれが災いした事件（事故？）が相次いで発生している。
公立高校教師のブラックな話 : 【海老名市】スマホから教育動画をテレビに映すはずが…
http://teacher.publog.jp/archives/1025138983.html
試験監督中にアダルト動画、教室全体に音声 教諭を処分：朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJ8S51MXJ8STLTB004.html
１番目のニュースはエロサイトに接続してしまった例だが、会社にPCを持ってきてブラウザを立ち上げたらタブがバァーっと開き記憶してたエロサイトへアクセスしてしまい恥ずかしい思いをするなんてこともありえるだろう。
上記の様なことが起こり得るため、BYODをするにしても自分の性癖を公開してしまわない様、また他人に気まずい思いをさせない様な運用ポリシーの策定が必要なのである。
目次
BYOD時代に望まれる運用ポリシーとは
上で説明した様な事例が起こることを避けるためには運用ポリシーを策定、社員への教育および社員の実践が必要である。
そのためには以下の様なルールを定めることで防げると考えている。
- 基本的にはエロサイトへのアクセス禁止およびエロファイルの保存禁止というルール
- 仕事用アカウントとプライベートアカウントの使い分け
- ルール違反発覚時の罰則の策定
基本的にはエロサイトへのアクセス禁止およびエロファイルの保存禁止というルール
これはあくまでルールであるため、破る社員はおそらく出てくるであろう。しかしあらかじめ明記しておくことでユーザの心構えは変わるものである。
仕事用アカウントとプライベートアカウントの使い分け
これは最も効果的な対策と言えるであろう。そもそも仕事用とプライベート用でアカウントを分けて使用していれば、エロファイルの再生やブラウザでエロサイトにアクセスしてしまうなんてことは防げるであろう。ただし油断は禁物で、条件反射的にPCを開いたらプライベートアカウントでログインしてしまうなんてこともあるかもしれない。
ルール違反発覚時の罰則の策定
これもまた社員の心構えを変えるためのものである。罰則があるとなれば違反を犯してまでエロサイトを見ようとはまず思わないはずだ。ルール違反をした社員には普通に罰則を適用すれば良い。
スマートフォンでの対策
スマートフォンをBYODでの利用を許可している場合はPCに比べて対策が難しいかもしれない。現状はアカウント切り替えということはできないためMDMを利用しての特定サイトへのアクセス禁止およびエロ関連アプリのインストール禁止などが対策だろう。
