Appleの新しいiOS11, MacOSX High SierraではHEIF(High Efficiency Image File Format)が標準サポートとなった。ファイル拡張子は.heic。このフォーマットの特徴は画像の圧縮にHEVCを利用できてJPEGの半分のサイズで同等の画質を実現できるとしているところである。今まで早く新しい高効率なフォーマットに世界的に移行してほしいと願っていた私にとっては非常にいい話。しかしAppleのデバイスでサポートしたからといって他のデバイス、ソフトウェアでサポートされるかどうかはまだわからない。JPEG2000はAppleデバイスで標準サポートされていたが、他のソフトやWindowsではサポートされていなかった。逆にJPEG XRはWindowsで標準サポートされていたが、MacやLightroomではサポートされていない。Photoshopでも標準ではサポートされていないため、マイクロソフトのプラグインを入れるしかない。
このLightroomのスレッドのカスタマーサポートの回答によると、HEIFを確認しているが、現状では一般に公開できるタイムラインはないとのこと。
Photoshop/Lightroom: HEIF support for iOS 11 | Photoshop Family Customer Community
https://feedback.photoshop.com/photoshop_family/topics/heif-support-for-ios-11
なので、サポートされるかどうかは現状では不明だ。
Photoshopは様々なフォーマットをサポートしているし、プラグイン形式で対応フォーマットを増やせるため問題はなさそうだが、Lightroomは現状ですらサポートしているフォーマットが少ない（JPEG2000すらサポートしていない）ため望みは薄いかもしれない。
しかし、DropboxやGoogleがHEIFをサポートしたりと、業界の流れはHEIFサポートとなっている。
JPEGは1992年に標準規格ができた。それからすでに25年以上経過している。
JPEG - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/JPEG
業界のスタンダードとしてこれだけ普及して長い間君臨し続けるというのはすごいことであるが、いつまでこの古い規格を使い続けるのであろうか。早く、より効率のいいフォーマットを使用してストレージ容量を節約したいものである。
目次
カメラメーカーの対応は
カメラは基本的に静止画はRAWとJPEGしかサポートしない。そのためHEIFをサポートする可能性は低そうだ。
JPEGはなぜここまで普及したのか? ～専門家に聞いてきた～ (5) JPEG 2000対応カメラが無い理由 | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/series/jpeg/005/
上記記事によるとカメラがJPEG2000をサポートしてこなかった理由は回路規模が大きくなりコストがかかるからだそうだ。
しかし、AppleはA10以降でハードウェアエンコーダを積んでいる。
iOS向けLightroom CCでHEIFの読み込みをサポート 2017/10/31追記
AdobeはアップデートしたLightroom CCでHEIFファイルの読み込みのみサポートしました。
出力はJPEGになります。それ以外のOS用のLightroomは変わらずHEIFサポートなしです。
Adobe、HEIFファイル読み込みに対応した写真編集アプリ「Adobe Lightroom CC for iPad 3.0.0」をリリース | iPad App Store | Macお宝鑑定団 blog（羅針盤）
http://www.macotakara.jp/blog/category-52/entry-33587.html
結局iOSで保存しているHEIFファイルを読み込めるようにしたってだけなので、HEIFにコンバートして容量節約なんてことはできません。残念。
Lightroom CCとLightroom Classic CCでHEIFの読み込みをサポート 2018/10/6追記
2018年の夏にリリースされたLightroomで、ついにMacとWindowsでもHEIFの読み込みができるようになりました。
Lightroom および Camera Raw における HEIC および HEVC メディアファイルのサポート
今は普通にHEIFの画像もライブラリに表示できます。
しかし、書き出しには対応していません。
書き出しは別アプリで行う必要があります。私はMac標準のプレビューで書き出しを行っています。
